香川県の溜め池が散見できる平野部には、
ところどころにおもしろい形の山を見受けることができる。
△。
まるでこどもが絵に描いた山のようなのだ。
日本人のこども全員が香川生まれのような、
それぐらい見事な△なのである。
丸亀に来ている。
宇多津と多度津の区別がつきにくい。
今は大丈夫でも、ここを離れると区別まで頭から離れてしまう。
坂出駅前のうどん屋のお婆ちゃんは元気だろうか。
話に夢中になって、茹でていたシコシコ讃岐うどんがのびのびになってしまい、
他ではぜったいに食べられない讃岐うどんを堪能したのは何年前だったか。
徹夜をしている。
空腹だ。

と、話が逸れた。
美輪子さんのピアノは、流石である。
交響曲の田園が、耳障りのいいピアノ曲になっている。
三拍子になったときに、一気に視界が開ける。
皺の奥まで日焼けした農夫が、手を休めて煙草をふかしている情景だ。
遠い目で、見慣れた景色をいとおしむような。

眠らないことは体に悪いとばかり思っていた。
どうやら、頭にはもっと悪いようだ。